営農支援サービス 天晴れ ~空から農作物の生育状況や収穫適期を診断~

概要

登録日:
Oct 10, 2021

人工衛星やドローンといった空から撮影した画像を解析し、農作物の生育状況や収穫適期を可視化した解析結果(以下、診断レポート)を提供しているクラウド型のサービスで、ユーザ自身のリモートセンシングに関する知識や技術の習得、高額なシステムを用意する必要はなく、インターネットの環境があればいつでも天晴れのホームページよりログインしてサービスを利用することができる。

事前予約しておけば、各適期に診断レポートが届く仕組みとなっており、生産現場の繁忙期の省力化を促進。人工衛星画像とドローン画像からの診断は、管内全体管理か特化圃場管理など目的によって選択することができ、利用回数ふくめて選定が可能だ。

人工衛星画像から診断する場合も、撮影面積1,000haより依頼可能で、1,000ha以上の場合は100haごとの加算、利用面積と利用回数にて利用料金が決定する。サービス開始当初は3品目6種類であった診断内容は、生産現場の要望を受けるかたちで技術開発に取り組み、2019年度には4品目8種類へ増加し、2020年度も更なる拡充を予定している。

詳細

■リモートセンシング衛星データの活用方法

人工衛星画像データは観測頻度と高価格、天候によって観測自体が左右されることを理由に、農業分野での実用化が難しいとされていたが、「天晴れ」では超小型衛星コンステレーションを中心とした国内外の多数の地球観測衛星群での観測体制を構築し、提供プラットフォームをクラウド型サービスの体系とすることで、各地域の営農時期に応える準リアルタイムでの情報配信を安価で実現、悪天候リスク回避率も同時に高めている。

また、高価格・高解像度の衛星画像データと比較しても同等に高い評価を得られるよう実用実証を重要視しており、実用性や簡便性の高いサービスとなっている。

■成功のポイント

・長年、営農指導基準として定点観測されてきた指標を、リモートセンシング技術として再現、開発できたことで、今まで捉えていた情報と相乗的に活用することが出来るようになっており、一面で把握した生育状況とノウハウや経験則を鑑みた計画を効率的に立てることができる。

・技術開発段階から実用実証にいたるまで、各専門家や数多くの生産者の方々にご支援とご要望をいただきながら、実用性を重要視し、初期投資などの障壁の除去や、視覚的で分かりやすいビジュアルと診断レポートの出力形式をもつサービスとした。

・個人生産者から利用可能とすることでユーザ層を拡大するだけではなく、解析前に画像取得状況を確認できるほか、観測コンディションによる割引の仕組みを加えるなど、従来ユーザの負担となっていた部分やリスクを回避

・軽減したユーザケアをサービス形態に加えた。・提供開始以降も「天晴れ」単体として、更なる機能拡充をさせるべく技術開発ならびにユーザビリティのアップデートを進行。加えて企業の垣根を越えて農業全体の流れを見越した企業間連携を拡大している。

■利用者やパートナーとの関係

個人生産者から生産法人、JA、地域など利活用の場面が増えるほど、その情報共有と活用法については多様化、営農全体に関係した内容となってきた。「天晴れを通じて診えた生育情報を活かす」ために、更なる技術開発を進めるほか、他社が提供する農作業記録のアプリやシステムと情報連携関係を構築し、ユーザが営農過程から結果までを一貫して振り返りが出来る仕組みを協働して構築を進めている。

また、次なるアクションとして農機メーカーへの情報共有の仕組みをつくることで、具体的な施策を現実化することができ、複雑で多様な地域性がある圃場に対してきめ細やかな生産管理を行い、「より安全で、より美味しい」の再現性が取れる精密農業の流れを共創していきたいと考えている。

■波及効果

個人から団体・地域ごとの利用が可能で、導入効果は個人差・団体差はあるが、農作業時間の省力化、収穫時期の乾燥コストを2割~4割削減、歩留まりが向上し、品質ならびに収量の増加、機器の共同利用している団体内での情報の共有と合意形成のスムーズ化、新規就農者へのノウハウ継承、悪天候の直前などの迅速な判断材料になる、など様々な目的や場面で導入・活用されている。

営農活用初年度となる2018年度の利用生産者(1,500軒以上)からの口コミや紹介により、2019年度は4,000軒以上の生産者の方々にご利用頂いている。

その他

営農支援サービス天晴れは、国際航業株式会社の登録商標です。(登録第2017-128185号)

資料 : 内閣府グッドプラクティス集より引用

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