地球観測衛星データを活用した天候インデックス保険の開発サポート ~地球観測衛星から推定された雨量を活用した農業従事者向けの天候インデックス保険~

概要

登録日:
Oct 10, 2021

・東南アジアでは農業生産額がGDPに占める割合や農村人口の割合が高く、気候変動による自然災害がその事業に与える影響は非常に大きい。 SOMPOグループが提供している「天候インデックス保険」は、農業経営の不確実性への対策として異常気象等の被害による金銭的リスクを軽減する手法であり、気候変動リスク関連金融分野における適応策として貢献する。

・2007年から国際協力銀行(JBIC)などとともに気候変動に対応するリスクファイナンス手法の研究を進め、2010年から、タイ東北部において「天候インデックス保険」の提供を開始した。

・天候インデックス保険は、気温、風量、降水量などの天候指標が、事前に定めた一定条件を満たした場合に定額の保険金をお支払いする保険商品である。実際の損害とは関係なく、天候指標ベースでの保険金支払いとなるため、保険金支払いの際に現場調査による損害調査が不要となる。そのため迅速な保険金支払いが可能となり、より早い現状復旧へ向けて貢献する。また、損害調査に掛かるコストも低廉のため、より手頃な保険料での保険提供を実現する。また、保険金支払いの迅速性、有無責のわかりやすさ、モラルリスク排除の観点からも、新興国の小規模農家に有効な内容であると評価されている。

詳細

■リモートセンシング衛星データの活用方法

・JAXAが提供する、人工衛星からのリアルタイムの全球降水マップ(GSMaP)をベースにした降水量データを活用している。・全球降水マップ(GSMaP)は、日米欧などの人工衛星データから、1時間ごとに作成される。

■成功のポイント

・気候変動の影響により、今後、極端な気象災害(干ばつ、洪水など)が増加することが危惧される中、地上気象観測データに関するインフラが整備されていない開発途上国では、天候インデックス保険の開発が困難であったが、地球観測衛星から推定される雨量を活用することで、この課題を克服した。

・地球観測衛星データを活用した天候インデックス保険は、天候指標ベースでの保険金支払いとなるため、保険金支払いの際に現場調査による損害調査が不要となる。そのため迅速な保険金支払いが可能となり、より早い現状復旧へ向けて貢献する。

・損害調査に掛かるコストも低廉のため、より手頃な保険料での保険提供を実現する。

・保険金支払いの有無責のわかりやすさ、モラルリスク排除の観点からも、新興国の小規模農家に有効な商品内容である。

■利用者やパートナーとの関係

農業開発銀行の融資に併せて、天候インデックス保険を販売している。

■波及効果

・天候インデックス保険は、気候変動に対する適応策として注目されており、今後、気象災害に脆弱な東南アジアの多くの小規模農家への波及が期待されている。

・SOMPOインターナショナルホールディングスは、グローバルマーケットにおける統合プラットフォームである「AgriSompo」を展開し、北米、ヨーロッパおよびオーストラリアの農業マーケットにおいて保険、再保険および天候デリバティブ(天候インデックス保険)など幅広く提供し、南米およびアジアの主要な農業マーケットに拡大していく。

その他

・2016年 第2回宇宙開発利用大賞「内閣府特命担当大臣(宇宙政策)賞」受賞

・2019年 第1回東京都が発表した「国際金融都市・東京」構想の柱として2018年度創設された「東京金融賞」において、ESG 投資部門を受賞

・2019年 Prime Minister’s Insurance AWARDSにおいてSOMPOタイが「The best insurance company that brings technology to apply with insurance system for year 2019.」を受賞

また、本取組みは、国連開発計画(UNDP)が商業活動と持続可能な開発を両立するビジネスモデルの構築を促進することを目指して主導しているイニシアティブ「ビジネス行動要請(BCtA)」の認定を2015年に受けた。

資料 : 内閣府グッドプラクティス集より引用

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