Oenoview ~ブドウ畑の収益性の向上と最適化を図る~

概要

登録日:
Oct 10, 2021

広大なワインブドウ畑を有する農家は、定量的かつ効率的に畑の管理を行い、品質の良いブドウ生産を行うことが困難であった。

TerraNIS社が提供する衛星データを活用したアプリケーションを利用することで、これらの課題を解決することができ、農家は、低コストで樹木や土壌の管理が容易に行えるようになった。

さらに、農地の公正な経済評価を算出することができ、市場価値に沿った経済活動を行うことができるようになった。

Oenoviewはブドウ畑における正確で信頼性の高い情報を提供する。衛星データを利用し、ブドウ畑をエリア別で情報収集を行い、それをもとに現場に専門家を派遣し、追加情報を組み込んだ分析結果をユーザーに提供する。自身のブドウ畑をよりよく知り、実や房の重量、水分量、をもとに収穫時期や肥料散布を最適化し、ブドウの均一化に貢献する。

詳細

■リモートセンシング衛星データの活用方法

すべてのサービスは地球観測画像に基づいており、ほとんどがSentinel 2およびSentinel 1画像を処理して作成されており、非常に高い解像度が必要な場合のみSPOT 6/7およびPleaides衛星などの商用衛星データを取得する。衛星データから施肥マップおよびブドウ健康状態に関するマップが作成される。

TerraNIS社は、ワイン用ブドウのモニタリングシステムをICV(仏国ワイン共同研究所)と共同開発している。同社が衛星データ解析にかかるノウハウを提供し、ICVがワイン栽培にかかるノウハウを提供している。

ブドウの生育状況解析アルゴリズムはNDVIを用いておらず、日射量と反射量の相関から、雑草などのノイズを取り除いたもので計算されている。このため、より詳細なブドウの発育状況を計算することができる。計算に必要なパラメータについては、一般に公開されているスペクトルデータベースと農家からのヒアリング情報をもとに作成し、導入するアプリケーションのチューニングを行なっている。

各農家の状況に即したアプリケーションのチューニング及び独自開発された衛星データ解析手法より生成されるデータは、詳細な農作物の生育状況を定量的、空間的、時系列的にとらえることができ、他社からは得られないため、高付加価値なデータとして農家に利用されている。

■成功のポイント

・AIベースの技術を応用することにより、高度な自動化が実現され、サービス提供における費用効率が向上

・社内で開発されたアルゴリズムは、NDVIなどの従来の方法と比較して、高い精度のデータ提供に貢献している

・衛星データから抽出されたデータの検証のため、現場で測定された数値と比較を行い、さまざまな環境で信頼できる高精度のサービスを提供する

■利用者やパートナーとの関係

Airbus社との協力契約により、一部の処理アルゴリズムの共有を行っている。一般的に、ユーザー(ワイン農家、または地方自治体)は、サービスの年間サブスクリプションを支払い、プランに応じたブドウの生育に役立つさまざまな情報を受け取る。また、国立研究機関やワイン農協などとのパートナーシップにより、より高付加価値なサービス提供を行っている。さらに、EUGENIUSと呼ばれるEO事業者コンソーシアムを通じ、国外のユーザー拡大を行っている。

■波及効果

・ワイン製造の効率化による最大30%のコスト削減が期待できる。

・約1000人のワイン生産者または農家がフランス、チリ、スペインで合計7,000haを超えるサービスを利用している。

・今後数年間でユーザー数を拡大すべく、フルオンラインシステムを開設する予定。

その他

データ製品

人工衛星
センサー
解像度
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観測頻度
入手方法
備考
お見積り/その他

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